日本、世界2位明け渡す=10年GDP、中国に抜かれる-43年目で後退・内閣府
内閣府が14日発表した2010年の国内総生産(GDP)速報値によると、国際比較に使われる2010年の名目GDPは、前年比1.8%増の479兆2231億円(5兆4742億ドル)となった。この結果、日本の名目GDPは、1月に公表された中国の39兆7983億元(5兆8786億ドル)に抜かれ、約4000億ドル差で世界2位から3位に転落した。GDP世界3位は43年ぶり。日本は1968年に西ドイツ(当時)を抜いて以来、42年間維持してきた米国に次ぐ「世界第2位の経済大国」の座を中国に明け渡した。
与謝野馨経済財政担当相は同日の記者会見で、「中国経済の躍進は隣国として喜ばしい。地域経済の一体的発展の礎となる」と語った。
中国は78年から改革・開放政策を開始し、トウ小平氏の指導の下で社会主義体制を維持しながら市場経済の良さを取り入れる「社会主義市場経済」を推進。この10年は毎年10%前後の高成長を続けてきた。一方、日本は90年代初めのバブル崩壊以降、デフレ傾向が続き、経済が長期に低迷。ここ数年は深刻なデフレや少子高齢化の進展に伴う成長鈍化に悩んでいた。(2011/02/14-12:25)