2011年4月24日日曜日

節電で暗い駅、障害者ら困惑 「バリアフリーと両立を」

節電で暗い駅、障害者ら困惑 「バリアフリーと両立を」

2011/4/24 0:12
 東日本大震災による電力不足を受けて企業などが取り組む節電対策が、障害者らへのバリアフリーに思わぬ影響を及ぼしている。エスカレーターが止まり苦労したり、照明が暗い階段で危ない思いをしたり……。節電の長期化は避けられない情勢だが、機械的な部分消灯に障害者団体は「障害者らに配慮し、バリアフリーを両立して」と訴えている。
 「節電で照明を消されると階段や障害物に気付きにくい。危うく転倒しかけたこともある」。東京都視覚障害者協会運営委員の山城完治さん(54)は不安を訴える。
 視覚障害者の6~7割は多少視力が残る「弱視者」で、照明を目印にするなど視覚情報を頼りに移動したり、日常生活を送ったりする。健常者には影響がない程度の消灯でも、視覚障害者にとっては死活問題になることがあるという。
 最も影響が深刻なのは地下鉄。駅構内の照明が消されると出入り口や階段の位置が分からなくなる。山城さんは「極端な消灯は危険。せめて出入り口や階段の始まりと終わり、踊り場の照明は残してほしい」と訴える。
 弱視の一種である網膜色素変性症患者の男性(65)は、普段は問題なく都内の職場まで電車で通っていた。しかし、照明だけでなく案内板などの電気も消え「コンコースなどでは昼間でもほとんど見えない」と打ち明ける。
 ほかにも停止中のエスカレーター前に張られたロープが見えにくく、足に引っかかって転倒しかけたり、通勤・通学路の目印になる自動販売機が消灯してしまい、場所が分からなくなったりするケースも。同協会は今月中に一部の鉄道会社に駅構内の照明を改善するよう要望する予定だ。
 バリアフリー社会について研究する市民団体「共用品ネット」は3月下旬の定例会合で節電の影響をテーマにしたところ、出席した高齢者や障害者から「外出先で動いているエレベーターを探すのに苦労した」との意見が相次いだ。児山啓一代表(61)は「節電のためにバリアフリーを切り捨てられたと感じた人が多かった」と指摘する。
 横浜市のある私立大は震災後、全エレベーターを停止。だが障害心理学が専門の男性教授から「車いすの学生に負担が大きい」との指摘を受け、今月中旬から講義のある時間帯だけ運転するよう見直した。
 男性教授は「社会全体が節電ムード一色の中、障害者は不便を感じても言い出しにくい」と苦言を呈する。山城さんは「節電の必要性は分かるが、障害者や高齢者に配慮して、メリハリのきいた節電を心がけてほしい」と話している。

「もっと節電を」の声も多数 鉄道会社など対応苦慮

2011/4/24 0:12
 JR東日本によると、計画停電などの影響で本格的な節電を始めた3月中旬以降、同社の問い合わせ窓口には節電に対する意見や苦情が多数寄せられ、うち約8割が「もっと節電を強化すべきだ」との内容という。
 同社の駅では現在、エスカレーターを原則停止し、エレベーターのみ運転。ただ各駅の判断で混雑時はエスカレーターを運転するなど柔軟な運用を指示しているといい、同社広報は「障害者や高齢者、乳幼児連れの方など多くの人に安心して利用してもらえるように工夫し、節電を徹底したい」と話す。
 東京メトロも同様の節電に取り組むが、周辺に病院が多い駅ではエスカレーターを動かすなどの配慮をしているという。


今日の日経新聞 朝刊 で書いてました
節電も大事です。ですが節電をすることにより
高齢者・身障者が不便になる。
消さなくてもいい電気を消さないでほしい。
阪神大震災の時に
「このくらい世界を、何とかしたい」と言っていた人がいました。
あれから十数年
技術もだいぶ進んだと思う

今こそ
誰の為にするかを考えないと~
みんなが豊かになれるように