2011年4月14日木曜日

礼金の一部返還命令…大阪簡裁判決

礼金の一部返還命令…大阪簡裁判決

大阪市生野区で賃貸住宅を1年契約で借り、約2か月で退去した同市内の男性(23)が、契約時に家主に支払った礼金12万円の返還を求めた訴訟で、大阪簡裁(篠田隆夫裁判官)が「中途解約時の返還を認めないのは消費者契約法に反する」として9万円の返還を命じたことがわかった。男性側代理人は「礼金返還を命じる司法判断は初めてではないか」としている。
3月18日の判決を男性の代理人の浦井裕樹司法書士が明らかにした。判決によると、男性は2009年12月、1年の契約で賃貸住宅を家賃月3万円、礼金12万円で借り、2か月で退去。礼金は返らなかった。男性は「礼金は、趣旨がはっきりしない支払いを求めるもので、無効」と提訴した。
判決は、「実質的に賃料の一部」として礼金の有効性を認める一方、「賃料の一部である以上、建物を使わなかった期間に応じて返還するのが当然」とし、中途解約時に返さないのは消費者の利益を一方的に損なうと判断。2か月分の実質賃料などを差し引き、返還額とした。
浦井司法書士は「中途解約時の返還が認められたのは一歩前進」と話している。
(2011年4月14日  読売新聞)