2012年4月24日火曜日

桜並木と諦めない努力

桜並木と諦めない努力

4月に千葉から東京本社に赴任して、生まれて初めて千代田区の千鳥ケ淵緑道の桜並木を見に行った。桜の迫力に圧倒されながら、ふと足元に目をやると、道路にごみが全くない。十数年前は、宴会客の残したごみであふれかえっていたとは想像もできなかった。

緑道の保全活動をする市民ボランティア団体「さくら美守り隊」は、緑道の花見のごみをなくそうと01年に結成された。ごみを拾いながら「ごみ持ち帰り」などと書かれたプラカードを持ち、黙って緑道を歩くという方法で、ごみを減らすことに成功した。

今でこそごみ袋1枚分の量で収まる日もあるというが、活動を始めた数年間は、一向にごみが減る気配はなかったという。「途中で嫌になったりしませんでしたか」。結成当時から活動に携わる82歳の女性に思わず聞いた。「何事も根気強く、絶対諦めないことが大事よ」と笑顔で話す女性の姿は、千鳥ケ淵の桜のように力強く、美しかった。

毎日新聞より引用