【人の長所を視る】
我れは当(まさ)に人の長処(ちょうしょ)を視るべし。
人の短処を視ること勿(なか)れ。
短処を視れば、
則(すなわ)ち我れは彼れに勝り、
我れに於(おい)て益(えき)無し。
長処を視れば、
則ち彼れは我れに勝り、
我れに於て益有り。
【訳】
人を視るときは長所を視るようにして、
短所は視るべきではない。
短所を視ると、
自分は相手より勝っていると思い、
努力しなくなるから、
自分の得にならない。
長所を視れば、
相手が自分より勝っていると思い、
それに近づくように努力するから、
自分に有益である。
『佐藤一斎一日一言』より(致知出版社刊)