2011年2月27日日曜日

中古住宅、優良販売業者に国が「お墨付き」

中古住宅、優良販売業者に国が「お墨付き」
国交省、11年度から認定制度 品質に新築並み基準

2011/2/27 1:30

 国土交通省は2011年度から、優良な中古住宅販売業者を対象にした認定制度を導入する。耐震性などで新築住宅並みの厳しい認定基準を設けたうえで、優良物件だけを売る業者に国が「お墨付き」を与え、消費者が安心して中古住宅を買えるようにする。認定業者には販売時の住宅改修費を補助する。政府は新成長戦略で、現在4兆円程度の中古住宅市場を20年までに倍増させる目標を掲げており、今回の制度もその一環になる。

 国交省は中古住宅の信頼性を高めるため、耐震性などで新築住宅に匹敵する基準を設ける。認定されるには(1)一定水準の工法や材料で屋上に防水加工を施す(2)住宅を支える基礎部分の鉄筋は一定基準の太さや量を確保する――など通常の中古住宅よりも念入りな改修が必要になる。認定業者を不定期に調べたうえで、条件に満たない物件を取り扱った場合には認定を取り消す。
 消費者からみれば、新築住宅並みの構造を備えた中古住宅を新築よりも安く買えることになる。耐震性などに問題がある住宅を買い、後で大規模な改修を迫られるリスクも避けられる。
 国交省は11年度に10業者程度を認定し、認定業者を順次増やす考え。認定業者が販売する中古住宅を改修する場合、1戸あたり工事費の3分の1まで、最大100万円の補助金を出す。認定業者は販売時に認定されたことを表示できる。
 住宅販売に占める中古物件の割合は約1割で、欧米の8割前後よりも極端に少ない。国交省は中古住宅市場を活性化するためには販売業者の信頼獲得が不可欠とみて、新制度を導入する。