2011年8月18日木曜日

66年目の「終戦の日」 ろうそくともし戦没者供養

66年目の「終戦の日」 ろうそくともし戦没者供養
2011年8月17日
 66年目の「終戦の日」を迎えた15日、大阪市天王寺区の旧真田山陸軍墓地では埋葬される戦没者らを供養しようと約5500本のろうそくに火がともされ、墓地一帯が幻想的な雰囲気となった。


ろうそくに明かりをともす参加者ら=15日午後、大阪市天王寺区
 同墓地は、1871(明治4)年創設。明治維新後の戦没者や、病気、事故などで亡くなった兵士らが埋葬されており、墓碑は5200基以上あるという。

 ろうそくの点火は、近隣の興徳寺(青木隆興住職)が毎年この日に寺の精霊流しに合わせて実施。本堂に参った檀家(だんか)らがろうそくを手に墓地を歩き、周囲に生えた草などを取り除きながら1本ずつ丁寧に明かりをともしていった。

 また今年は「日本の心」の探究を目的に教養講座などを開くNPO法人大楽小楽(同市中央区)の会員らも初めて参加。真田山陸軍墓地維持会常務理事の吉岡武さん(73)らの案内で墓地を巡った後、ろうそくの点火に加わり、鎮魂の思いを込めて「ふるさと」などを合唱した。

 同NPO法人理事長の石黒一さん(81)は「今の日本では国を守るという議論が一切なされていない。人によって思いを異なるだろうが、きょうの活動をきっかけに皆で真剣に考えてほしい」と話していた。